株式会社イワタ
代表取締役社長 岩田 和信 様
コンサルティング/経営・教育全般(7年)
水谷 梨恵
ご支援前、どのような課題をお持ちだったか
業務評価に指針がなく、何をクリアすれば昇給・昇格するのか設定されていない
漠然とした評価制度で、昇給・昇格やボーナスの査定は上長それぞれの感覚に頼っていた。そのため現場社員は何をクリアすればいいのかわからず、モチベーションが低かった。
抜本的な評価基準の作成に対しては、管理職全員が長年関わるのを敬遠しており「モノづくりができても人づくりができない」会社になっていた。
個人主義の社員が多く、業務に偏りが生じている
営業部門はプレーヤーとして優秀な社員が多くの売上げを出していた。しかし、社員間のつながりが希薄でノウハウを共有する機会や部下を育てるシステムがないため、結果を出すほど本人に業務負担がのし掛かっていった。
製造社員と営業社員の間で意見の食い違いがあり、社内の雰囲気が悪くなる
クライアントの要望に対して、利益確保やクオリティを巡って製造社員と営業社員の間で溝ができることが多く、お互いが歩み寄らずに口論になり、社内が険悪な雰囲気になることが度々あった。
納期が守れない、決められたコストをオーバーすることが多々ある
モノにこだわり、クオリティの高い製品を作る製造社員がいるのは強みだが、その反面、納期を過ぎてしまったり、決められたコストをオーバーしてしまったりといった事例が多々あった。
ご支援後、どう変わったのか
評価制度について
まず評価の定義を明確化することで、社員の働き方が変わっていった。現場では「何をすればいいかわかりやすく、はっきりとしているからモチベーションにつながる」という声が多かった。評価表などを使った数値ベースの評価に定期面談をプラスし、ハードとソフトの両面で評価しているところも現場の支持を得た。
M・Tコンサルティングは「評価制度を作りたい」という管理職の要望に対し、評価基準策定や評価表の活用などさまざまな提案をしてくれた。その際に面談の大切さを説いてくれたことが印象に残っている。
個人主義について
営業社員は個人主義の傾向が強く「売上げさえ出していればいい」と考える人間が多かったが、コンサルティングを経て、会社がどうしたら効率的に利益を出せるかを全員で考えるように。社内においても製造効率や会社全体の利益構造についての発言が増えた。
M・Tコンサルティングとの関わりを通して、社員の考え方がプレーヤー視点からマネージャー視点へ、リスクテイクからリスクヘッジへ転換した。
製造社員と営業社員の関係について
現場の製造社員は寡黙で職人気質の人が多く、反対に営業社員は弁が立つ人が多いため、職場で意見が対立しても双方が話し合いで歩み寄れない状況だった。その問題に対し、M・Tコンサルティングは社員の「人間力」を高めることにフォーカスしてくれた。コンサルタントの水谷さんは常に社内会議に同席してコミュニケーションの重要性を指摘し続け、現場では還暦間近の工場長にも臆せず訴えかけていた。そして、重要性を知った社員達は研修で相手への伝え方や傾聴のノウハウを学ぶようになり、コミュニケーションレベルが上がった。
その結果、製造・営業で目的意識を共有できるようになり、問題解決に向けて協力できるように。すると職場での口論が減り、雰囲気が明るくなった。
納期とコストパフォーマンスについて
研修後、製造社員が営業社員に対し「この金額で大丈夫なのか」と積極的にコスト面の相談をするようになった。逆に現場の知見を活かして「このクオリティで受注するなら単価を見直してもいいんじゃないか」といった意見を出すようになった。
その一方、営業社員は製造部門からの意見を商談内で「現場の専門的な見解」として活用し、先方が納得してくれることが多くなった。総じてプレゼンの説得力が増した。
この好循環が企画力やコストパフォーマンスにおいて同業他社との差別化につながり、現在は会社の強みになりつつある。
今後お願いしたいこと
M・Tコンサルティングは、組織がひとつ上のステップを登るためのあらゆる意識改革をしてくれた。
課題だった社内の人材育成に関しては、指導によってその道のエキスパートである「イワタ人」に育てあげるフローがM・Tコンサルティングのおかげで出来つつある。ただ、社内の人間は「指導者」になれても「教育者」になることは非常に難しい。そのため、今後は教育者として「イワタ人」になる手前の社員に、ビジネスパーソンとして大切なことを教えてほしい。