業種:製造業、売上:30億(グループ売上)、社員数:70人
コンサルティング、経営・教育全般の研修 (5年)
松尾 淳一
ご支援前、どのような課題をお持ちだったか
本部と支店のコミュニケーションがうまくいかない
全国に30の直営店があり、各店舗で運営を一任できるような店長を育成しようとしたがうまくいかない。その一方で、現場の店長達は「運営方針やお客様への各種対応など本部から明確な指示がほしい」と考えており、本部・支店間において指針、行動の面で齟齬が生じていた。また、社長は社員が自ら考えて行動してほしいと考えていたが、機能している教育メソッドが社内になかった。
ヒアリングを経て見つけた「本質的な課題」とは?
CSや運営業務を細かい部分まで再確認すると、本部社員・店長・副店長・スタッフの間で役割が明確化されていないミッション等が多くあった。どの課題に対し、誰が責任を持って何をするかが曖昧で、課題に対しての熱意が職位によってバラバラだった。そのため現場では「役職がついても業務負担が増えるだけ」という風土になりつつあった。
教育に関するヒアリングでは、おおむねの社員が「教育を受けてきていない」「教えられた記憶がない」と言うほどの状況。人を育てなければならない立場の社員が自信を失っていた。原因はトップ(社長)から各社員への直接かつ場当たり的な教育が習慣化しており、組織としてのレポートラインが機能していなかったこと。さらに、異なる風土から来た中途採用の社員が増えたこともあり、結果的に会社の指導方針を正しく共有できていなかった。
課題解決のためにご提案したプロセス、TODOの全体像
現状のまま業務拡大をすれば、本部と店舗がお互い機能不全に追い込まれてしまうことを客観的立場から報告。まずは職位における立ち位置を明確化した上で、本部と店舗の間に共通の目標を作成した。共通のゴールは「お客さまのためによい商品を提供する」こと。そのために何が必要で、誰が何をしていくのか、という逆算型のロジックで考えるチーム作りを実施。本部に対しては業務・教育フローを体系化していく中でクレーム対応など、店長が現場で抱える問題にも一緒に向き合うことを提案し、会社としての風土を変えることを重視した。
具体的にどのようなコンサルティングや研修を実施したか
理念・ビジョン策定、行動基準策定、目標管理制度作りのほか、リーダー育成研修、リピーター獲得のための研修、クレーム対応におけるメンタルトレーニング、成功事例・失敗事例を共有するコンサルティングなど。
お客様の声
研修後、本部・現場関係なく全社員が「考える集団」となった。その要因として、研修によって各自のミッションが明確化したことで縦・横のコミュニケーションが活発になったことが挙げられた。また、店長だけでなく副店長も自身の立ち位置がわかりやすくなり、ミーティングなどで自ら発言する者が増えた。
現場では、頻繁に行われるようになった店長同士の話し合いから「エリアマネージャーが必要」という意見が挙がり、立候補する人物も。結果的にグループ全体で過去最高益を記録。生まれ変わった指導方針と教育によって人材のレベルが底上げされたことにより店長候補が増え、新規エリアへの出店ができるようになった。