株式会社イワタテクノ
代表取締役社長 岩田 卓三 様
常務取締役 岩田 哲也 様
コンサルティング/経営・教育全般(7年)
水谷 梨恵
ご支援前、どのような課題をお持ちだったか
創業者依存から脱却するため、幹部のチームワークを強化する必要があった
技術力で堅調な業績を上げていたが、創業者の感性主体の経営は抽象的な部分も多く、幹部は創業者と意思の疎通を図りにくかった。また、会社の事業計画もデータや書面になっていなかったため、幹部が結束して標準化に着手する必要があった。
町工場時代からの旧態依然とした労働環境が改善されていなかった
現場では残業や休日出勤に違和感を覚える社員は少なく、相当する手当が支払われていたこともあって長い間大きな問題になっていなかった。ところが、近年働き方への意識が高まり、疑問を感じる社員が増えてきた。特に家庭を持つ社員の中から「家族との時間がつくれない」という理由で退職する者が増えてきた。
部署間、役職間でコミュニケーションエラーが多い
部署間や役職間でコミュニケーションエラーによる認識の相違や伝達ミスが多い。原因は職位など組織の縦割り上、気をつかって言えない、苦手な人だから言いにくいといったものが多数を占めていた。
一般社員が活発に意見を言い合う土壌がない
社内が長い間「上意下達」の業務フローで固まっているため、社員は総じて指示待ちの人間が多く、上司に意見を言うことができない。また、業務の評価制度も確立されていないためモチベーションも低かった。
ご支援後、どう変わったのか
実施した施策の内容は?
役職者研修のほか、一部の対象者には個別でコンサルティングをしてもらった。頻度は月に2,3回だが、コンサルタントの水谷さんは毎週訪問してくれることもあった。当初、業務で成果を出している社員の中で「なぜ自分がコンサルティングを受けなければいけないのか」と反対する者がいた。しかし、水谷さんと関わるうちに「数字が出ていることだけで満足し、大局的なことを考えていなかった」「自分の態度が周りと軋轢を生じさせていることを重く受け止めていなかった」と、考えを改める社員が増え、次第に彼らは「次回はこの相談をしよう」とコンサルティングを待ち構えるようになった。
コミュニケーションエラーについて
水谷さんの提案で「次世代リーダー会」を発足させた。月に1回、経営に関する座学やテストのほか、人事考課の時期には面談のシミュレーションなどを実施している。参加者は本会が終わると大量の資料を抱えて会議室から出てくるため、周りの社員達も興味を持つようになった。
また、リーダー会は各部門の責任者によるディスカッションの場としても活用。お互いの気持ちを話し合い、相互理解のレベルアップ、チームワークの強化につなげている。
参加者の中に成績がいい反面、何事にもルーズな者がいたが、リーダー会を通して物事を建設的に考え、プロセスを計画的に実行するように。その上で役職者として何をすべきかを考えて行動するようになったため、周りに意図が理解されやすくなり、部署間や役職間でのコミュニケーションエラーが減少した。
コンサルタントと社員の関係について
現場で伸び悩んでいる社員や、悩みを抱えている社員がいたら、水谷さんとコミュニケーションをとらせるようにしている。はじめは世間話程度の会話だが、彼女はそこから社員のタイプを分析し、それに合わせた的確なアプローチをしている。
その反面、役職者に対しては意図的に厳しく接してくれている。弊社としてはありがたい。厳しく接しても社内にいわゆるアンチのような反対勢力ができず、彼らがついていくのは少し不思議に思えたが、彼女の人間性をはじめ知識量や考え方が圧倒的に上回っているからだと気づいた。
また、普段の立ち居振る舞いや所作が美しく、そのようなところも説得力につながっていると思う。
労働環境に関しては、働き方への意識など古い価値観がはびこっている社内に対し、大きな歯車となって精力的に動き、一人ひとりの意識レベルを変えてくれている。
今後お願いしたいこと
一方的に教えてくれるのではなく、常に見守りながらその時々で力を貸してくれたことで、これまで簡単に変えられなかった組織の根幹を変えられた。そのおかげで社員に責任感とモチベーションが生まれ、業績に繋がっている。「人」と「プロセス」を大切にするM・Tコンサルティングでなければ、これほどの成果は得られなかったと感謝している。今後も決断力、強さ、優しさが社員に浸透するよう、持続的なコミュニケーションをお願いしたい。経営面においては、社長はじめ幹部の中にある会社の成長イメージを具現化してほしいと思っている。