業種:サービス業、社員数:30人
次世代リーダー育成(研修2年目 1年/4回 ※継続中)
中村 英泰
ご支援前、どのような課題をお持ちだったか
社員のモチベーションが低く、やる気がみられない
業績が伸びて会社が成長していくにつれ従業員が増え、部署も増えたため社員間のコミュニケーションがなくなり始めていた。増えていく業務をこなすために縦割り化が進んだが、その一方で部署間の協力体制が希薄になっていた。その結果、社員が業務を「自分ごと」として捉えなくなり業務が作業化。モチベーションの低下が急速に進んでいた。社員の育成に関しては各リーダーへいわゆる「丸投げ」状態になっており、教育のノウハウは体系化されていなかった。
ヒアリングを経て見つけた「本質的な課題」とは?
当初の依頼はリーダー対象研修などの組織開発だったが、本質的な原因は会社の急な業務拡大によって目標航路を共有しきれておらず、社員一人ひとりの業務に対する使命感、やりがいが失われていることだった。人を育てるべき立場のリーダー自身が、自分達の仕事の意義や、会社の価値とは何かを明文化できておらず、指針のない状態。そこで付け焼刃のリーダーシップを学んでも、若手育成や組織拡大の枷にしかならず、まずリーダー達の意欲を変える必要があった。
課題解決のためにご提案したプロセス、TODOの全体像
このまま組織開発の研修をしても形骸化してしまう恐れがあったため、まずはビジネス基礎(マナーを含む)から社員の使命感、やりがいを掘り起こしていく方針を提案。社長が研修自体に懐疑的だったため実施されずにいたが、4ヶ月間に渡り提案を続けたのち、まずはトライアルで実施することに。研修では開始前に必ず目標航路を共有。また、研修終了時や振り返りには「明日から何をするか」をその場で決めるようにした。2回目以降もその大軸に沿ってPDCAを意識しながら実施。「業務」と「やりがい」をつなげるためのマインドセットを積極的に取り入れた。
具体的にどのような研修を実施したか
基礎力研修、コミュニケーション研修、チームビルディングなど。研修ではトレンドワードの調査・発表、各種ワークやビジネスゲームのほか、部下を育成するためのテクニック、結果承認、変化承認、存在承認などのコーチングを実施。後半の研修ではインプットに偏りすぎないよう、部下育成計画を立案させるなど、取り組みやすい応用型の内容にアレンジした。
研修実施後の成果とお客様の声
実施するごとに参加人数が増えていき、参加者は業務中の態度、言葉遣い、モチベーションに大きな変化が見られた。社員が業務に対し使命感やプロ意識を持つようになり、課題についても部署をまたいで議論できるようになった。結果、部署共通の課題が「人材教育」と判明し、各部門のマネージャーが一致団結して次世代を育成するための施策を考えるように。
担当講師は実施に懐疑的だった社長から「次はいつやってくれるのか」と言われ、想いが伝わったと実感。全4回の研修後に、参加できなかった社員を含めた追加の研修を依頼された。今後は新入社員研修から関わり、継続して組織開発を担当する予定となっている。